一般財団法人ピースコミュニケーション

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国連を支える世界こども未来会議

国連を支える世界こども未来会議プロジェクトイベント in New York 2024 ~第2部~

2024.07.17

MIYAVIとこどもたちがテーマソングを熱唱(撮影・佐々木悠人)

 

サムライギタリストのMIYAVIが7月17日(現地時間)、米ニューヨークの国連本部DDRで一般財団法人ピースコミュニケーション財団が開催した「国連を支える世界こども未来会議~プロジェクトイベント in New York 2024~(The Children’s Conference of the Future in Support of the United Nations ~The Project Event in New York 2024~)」でライブパフォーマンスを行った。MIYAVIは自身がプロデュースした「国連を支える世界こども未来会議」のテーマソング「That‘s What I’m Gonna Be」をこどもたちとともに披露した。

国連を支える世界こども未来会議は、世界のこどもたちが集まり、SDGsを軸に平和で豊かな世界について語り合うピースコミュニケーションの場として、2019年に東京オリンピック・パラリンピック公認プログラムとしてスタート。以降、毎年開催し2022年度からは国内各地でも開催。現在は、こども家庭庁・外務省・内閣官房国際博覧会推進本部・東京都が後援し、2023年2月には国連からタイトルの認定を受けている。

この日のイベントは2部制で行われ、第1部の「国連本部セレモニー」では3月に東京で開催した「第4回国連を支える世界こども未来会議」(東京都庁大会議場)の議論の結論をまとめたアイデアブックを日本から来たマイナビキッズアンバサダーが国連本部に提出した。

第2部の「国連を支える世界こども未来会議~プロジェクトイベント in New York2024~」では、国連を支える世界こども未来会議の報告会とライブパフォーマンスが行われた。

 

穂坂外務大臣政務官がオープニングで挨拶(撮影・佐々木悠人)

 

冒頭、穂坂外務大臣政務官が「新型コロナウイルスや戦争といった出来事は政界中に影響を与えます。私たちは今、一つの国だけでは対応しきれないような地球規模の課題に直面しています。SDGsは経済、社会、環境のバランスを考え、それらをまとめて解決し、みんなの思い描く未来を実現するための道標です。私は外務大臣政務官として、そうした問題に皆が団結して取り組めるようにさまざまな国との協力を進めています。また自分自身も老人ホームやお医者さんの学校を作ったり、ボランティア活動など社会問題の解決に向けて取り組んできました。2030年やその後の社会の中核を担う皆さんには国際社会に関心を持ち、自分たちが主役となる世界がどのようになってほしいか思い描きながら、一人一人が自分にできることを考え、小さなことでもいいので、ぜひ行動に移してほしいと思います。みんなが行うことで小さな行動が大きな力になります。本日のイベントが一人でも多くの方にそうした行動を促す機会となることを願っています」と開会の言葉を述べた。

 

 

キッズアンバサダーが平和実現や気候変動解決に向けたアイデアを発表(撮影・佐々木悠人)

 

続いて「国連を支える世界こども未来会議」のプロジェクトの概要が発表され、マイナビキッズアンバサダーによる「第4回国連を支える世界こども未来会議」で考えた平和実現や気候変動解決に向けたアイデアの発表も行われた。今回は5名4グループが登壇し、北岡豊奈さん(12)は「誰もがお互いを拒絶することなく認め合う世界を作ることが平和につながると考えます。そのためには、子どもたちの目線で世界の問題を理解し、子どもたちがもっとスマートフォンを活用して大人たちに発信していくことが大切だと考えています」などとそれぞれ発表した。

発表を受けて、国連本部ニュース・メディア部長イーアン・フィリップス氏は「3人の子供を持つ親として、彼らの情熱と理解に深く感動しました。今、若者の声を聞くことが何よりも重要です。国連は未来を守るために存在しますが、気候変動や紛争の多くの問題に直面しております。これらの問題は国境や世代を超えて広がっており、政府や民間、科学者などさまざまな分野の積極的な関与が求められます。若者の視点を取り入れることで、持続可能で平和な未来を築くことができるでしょう。ユニセフをはじめとする国連機関は、教育や食糧、安全を奪われている約2億2200万人の子供たちを支援しています。また、若者の参加を促進するための戦略『ユース2030』も推進しています。これは、若者のグローバルおよび国家レベルでの関与を高めるための初の国連システム全体の戦略です。若者をグローバルな議論に参加させるための革新的な手段が必要であり、私たちは国連を支える世界こども未来会議の計画、作戦、参加に費やされた取り組みに大いに感謝しています。これからも私たちが多くの問題を解決するためにご協力ください」と語った。

 

  初公開されたメタバースルームを早速体験(撮影・佐々木悠人)

 

その後、今回新たに立ち上げられた「メタバースプロジェクト」の概要が発表された。これはピースコミュニケーション財団と協賛しているNTTとの協業によるもので、財団の一木広治代表理事が「国連を支える世界こども未来会議はリアル開催を軸に展開してきましたが、世界からより多くのこどもたちがピースコミュニケーションを行えるように、この度メタバースを活用したコミュニケーションの場もスタートすることとなりました」と発表。

NTTの梅津佳奈氏と渡邊淳司氏が登壇し、世界中に子どもたちが集まり未来に向けてアイデアを語り合う国連を支える世界こども未来会議に対して、コミュニケーションテクノロジーという面で支援していることや、コミュニケーション技術の歴史を説明した後、コミュニケーションを取るうえでの課題である距離や障害、価値観の解決方法の一つとして、メタバースの活用があることを紹介。またピースコミュニケーションテクノロジーとして、本会議でも取り入れている「わたしたちのウェルビーイングカード」カリキュラムをメタバースプロジェクトでも使用し、「世界中のこどもたちがつながり、お互いの存在について感じ、学び合うことで、お互いが尊重し合い助け合うことができる。これこそが“ピースコミュニケーション”」と語った。

そして実際に、メタバースルームが公開され、ニューヨークの会場にいるこどもと日本にいるこどもがメタバース上でのコミュニケーションを体験。体験したこどもは「すごい。遠く離れた日本とコミュニケーションを取ることができました」と驚いた様子で感想を語った。さらにメタバース上で、会場にいるこどもが日本にいるこどもに向けて、ウェルビーイングの実現において重要だと思うことをウェルビーイングカードの中から選択し「僕は友達とビデオゲームをすることが好きだから、友情が大切です」「僕は平和が大切だと思います」などと議論を交わした。

 

 

中山泰秀氏がアメリカンジョークで笑いを取る場面も(撮影・佐々木悠人)

 

続いて財団代表の一木広治氏と元外務副大臣で財団渉外担当理事の中山泰秀氏より、同イベントは来年5月に「Japan Parade NYC」と連携し開催すること、2025年8月6~7日には大阪・関西万博内で世界中のこどもたちが参加する会議を開催し、原爆が投下された8月6日には万博会場より参加するこどもたちの声を「ピースコミュニケーション宣言」として世界に発信することが発表された。

 

MIYAVIとこどもたちが記念撮影(撮影・佐々木悠人)

最後はUNHCR親善大使を務め、国連を支える世界こども未来会議のボードメンバーでもあるMIYAVIによるライブパフォーマンスが行われた。MIYAVIは演奏前に「皆さんご存知の通り、今世界ではさまざまなことが起こっています。だからこそこどもたちが集まり、話し合う場所や時間が本当に重要です。私たちは皆、自分たちに何ができるか考えてもすぐに世界における自分たちの無力さに打ちのめされます。ですが僕は音楽を演奏し続け、世界中の人々を結び続けます」とメッセージを贈り、4曲を披露。「国連を支える世界こども未来会議」のテーマソング「That‘s What I’m Gonna Be」では、MIYAVIとキーボード、パーカッションの演奏が始まると26人のこどもたちがステージに上がり、一人ずつ名前と「サッカー選手」「国連職員」「ダンサー」といった将来の夢を発表。そして全員の発表の後、MIYAVIとこどもたちが一緒に歌い、手拍子でセッションし、来場者からは大きな拍手が贈られた。

そして外務省国際協力局審議官の日下部英紀氏の閉会の言葉でイベントは終了した。

なお、この日のイベントにはプロジェクトを後援する東京都より小池百合子都知事からメッセージが寄せられている。

 

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