ニューヨーク
国連を支える世界こども未来会議~プロジェクトイベント in New York United Nations 2025~ 2日目:国連本部訪問
2025.05.16
国連を支える世界こども未来会議の代表が国連本部を訪問(©Masahiro Noguchi)
5月15日(日本時間16日)、一般財団法人ピースコミュニケーション財団は、アメリカ・ニューヨークの国連本部にて、3月に東京で開催した「第5回国連を支える世界こども未来会議」の議論の結論をまとめたアイデアブックを国連に提出するセレモニーと、「国連を支える世界こども未来会議~プロジェクトイベント in New York United Nations 2025~」を開催いたしました。本イベントは、通常、各国の代表団による重要な国際会議が行われる公式な会議場で実施され、次世代を担う子どもたちが国際社会に向けて意見を発信する、非常に意義のある機会となりました。
この「国連を支える世界こども未来会議」は、2019年に東京オリンピック・パラリンピックの公認プログラムとしてスタートし、SDGs(持続可能な開発目標)を中心に、平和で持続可能な社会の実現に向けて、子どもたちが主体的に考え、語り合う場として発展してきました。以降、毎年継続的に開催されており、2022年度からは国内の各地でも開催されています。現在では、こども家庭庁、外務省、内閣官房国際博覧会推進本部、東京都などの後援を受けており、2023年2月には国連からタイトルの正式な認定も受けています。
国連のヴィンチェンツォ・プグリエーゼ氏にアイデアブックなどを手渡した(©Masahiro Noguchi)
イベントの第1部では、キッズアンバサダーが3月に東京で開催された「第5回国連を支える世界こども未来会議」での議論をもとにまとめたアイデアブック、グテーレス国連事務総長のイラスト、そしてグローバルコミュニケーション局のマヘル・ナッサー氏宛ての書簡を、国連日本政府代表部の森尊俊公使の立ち会いのもと、同局アウトリーチ部のヴィンチェンツォ・プグリエーゼ チーフに手渡しました。
大役を果たしたキッズアンバサダーたち(©Masahiro Noguchi)
プグリエーゼ氏は、「日本のこどもたちが国連本部に来てくれる機会はまだ多くはありません。だからこそ、今日こうして皆さんを迎えられたことをとても光栄に思います。皆さんのような若い世代が、私たちの活動や考えを理解し、共に行動していくことが未来につながるのです」と語り、子どもたちの行動力と可能性を称賛しました。
(©Masahiro Noguchi)
(©Masahiro Noguchi)
国連本部で「国連を支える世界こども未来会議」が開催された(©Masahiro Noguchi)
第2部では、通常、各国の代表団による重要な国際会議が行われる公式な会議場にて開催しました。当財団の一木広治代表理事が登壇し、「国連本部にてキッズアンバサダー12名とUNISの皆さんで自分たちの未来を考えるプロジェクトを開催することができた。皆さんと共に世界を繋ぎ地球をより元気にしていく未来に向けたアイデアを通して地球をより良い世界にしていくための活動にしたい」と挨拶。
「第5回国連を支える世界子ども未来会議」にて考えた「学校に行けない子どもたちが学べる場を提供する」「二酸化炭素を排出するものの値段を上げ、再生可能エネルギーで出来たものの値段を下げる」などのアイデアをキッズアンバサダー5名が英語で発表しました。
その後、「平和」「気候変動をテーマにキッズアンバサダーと国連インターナショナルスクール(UNIS)の生徒21名によるグループワークショップを実施しました。ワークショップ冒頭に、アイスブレイクとしてNTTが開発した18枚の「わたしたちのウェルビーイングカード」を用い、自分にとって何が大切かを話し合い、価値観を共有しながら意見交換を行いました。言語や文化を超えて協力し合う中で、子どもたちは持続可能な未来に向けた具体的な行動を共に考えました。ワークショップの最後には、「私たちは毎月、対面またはオンラインでミーティングを開催したい」「地球温暖化防止のための行動を提案する」「共通の目標を見つけ、一緒に取り組んでいきたい」「創造力でゴミをおもちゃやアートに変える」といったアイデアが、各グループから発表されました。こうした提案は、単なる発想にとどまらず、実践的な視点から未来を形づくる一歩として大きな意味を持っています。
元国連大使の星野俊也氏が挨拶(©Masahiro Noguchi)
また、ピースコミュニケーション財団の理事を務める元国連大使・星野俊也氏は、「国連本部の公式な会議室でみなさんは自分たちのアイデアを発表してくれた。これからは大人そして違う立場にいる人たちがその声に耳を傾けていく番である」と語り、子どもたちの提言を受け止め、行動につなげていくことの重要性を強調しました。
「平和」と「気候変動」をテーマにディスカッション(©Masahiro Noguchi)
最後に国連での感想をキッズアンバサダーに聞くと、「貴重な経験をできてうれしい、UNISの子と交流をしていろいろなことを学べた」「しっかり自分の意見をみんなに伝えることができた。イベントに参加しないと関われない友情ができた」などと語っていました。
小池東京都知事がビデオメッセージ(©Masahiro Noguchi)
また今回のイベントにあたっては小池百合子 東京都知事からビデオメッセージで「皆さん、こんにちは。東京都知事の小池百合子です。昨年に引き続き、12名のキッズ・アンバサダーが「TOKYO 2025 キッズ宣言」を国連本部に届けます。この宣言は、今年3月に東京で開催された「国連を支える世界こども未来会議」で、世界中から集まった子供たちが、SDGsが掲げる「平和」と「気候変動」の2つのテーマについて、活発に議論し、まとめたものです。都も、これからの社会を考える上で貴重な気付きを与えてくれる「子供との対話」を通じて、政策をバージョンアップしています。皆さん、世界の未来を一緒に考え、持続可能な社会の実現に取り組んでいきましょう。ありがとうございました」、また岩屋毅外務大臣も「外務大臣の岩屋毅です。本日、「国連を支える世界こども未来会議~プロジェクトイベント in New York~」が盛大に開催されることを大変うれしく思います。日本は、国際社会の一員として、気候変動を始めとする地球規模の課題への対応や SDGs の達成に向けて、積極的に取り組んでいます。未来の世代に豊かな地球を引き継ぐために、国際社会と共に努力を続けていくことが重要です。今年、日本は、SDGs の各目標に対する取組の状況を確認し、その結果を国連に報告する予定です。この取り組みを通じて、国際社会と共に、より良い未来を築くために学び合い、協力を深めていきます。これからの社会を担う皆さんには、国際社会に対する関心を持ち、自分たちが主役となる世界がどのようになってほしいかを真剣に考えてもらいたいと思います。そしてぜひ実際に行動に移してください。今日の会議が、多くの人々に行動を促すきっかけとなることを心より願っています。御清聴ありがとうございました」とメッセージを寄せていただきました。