一般財団法人ピースコミュニケーション

LIBRARY活動実績

ecoアイデアコンテスト

第1回高校生ecoアイデアコンテスト

2022.11.15

塩害で農業に適さない土地をキャピラリーバリアの技術を使って農地に改良

「第1回高校生ecoアイデアコンテスト」の本選が2022年11月13日、都内で開催され、青森県立名久井農業高等学校環境システム科の「塩類集積抑制システム」がグランプリに選出されました。

同コンテストは1992年に創設された「地球環境大賞」とSDGsピースコミュニケーションプロジェクトの共催により行われたもので、全国の高校生から環境問題に関するアイデアを募集したものです。

予選を勝ち上がってきた7組がこの日の本選でプレゼンを行い、フジテレビの木幡美子CSR・SDGs推進部長ら5人の審査員によってグランプリら各賞が選ばれました。

グランプリを獲得した「塩類集積抑制システム」は、塩害で農業に適さない土地を土の中に石灰資材で作ったキャピラリーバリアを埋設することで農地に変えようという試みです。

この日、プレゼンを行った寺沢ゆきさんと中居泉穂さんは「乾燥地などでは塩害が発生してしまっていて、農業ができなくて、自給自足の生活が送れていないんです。私たち、農業高校生の視点から農業を生かしてどうにか作物を育てられないかということで、社会の時間に習った“キャピラリーバリア”という技術を使って、この作物を育てる技術を開発しました。詳しく言うと、作物を植える土の中に石の層を設けて、そこの中にカルシウムの入った資材とわらなどを入れて層を作ることで下から上がってくる塩を含んだ水を防ぎながら、きれいな水を上に届ける。そして作物を育てるという技術を開発しました」などとこのシステムを説明。

この取り組みは「私たちの先輩も塩害に関する研究をしていて、先輩たちの農業を生かして困っている人たちを助けようという姿を見て、私たちもそういう気持ちになって始めたのがきっかけでした」と先輩たちの思いを受け継いだものと伝えてくれました。

そして現在、高校3年生の2人は卒業後は専門学校に進学するとのことなのですが「できればこういったことはボランティアで続けていければと思っています」と卒業後もエコ問題には取り組んでいきたいという姿勢を見せてくれました。

準グランプリは岡山県の山陽学園高等学校の「シビックテックを用いた海洋ごみ問題解決の取り組み」、審査員特別賞が香川県立多度津高等学校建築科の「県産木材を使いすべての公園に環境を考えた小屋を建設しようというエコプロジェクト」に送られました。

表彰式後、審査員を務めた一般財団法人ピースコミュニケーション財団の一木広治代表理事が「全国いろいろな所から参加していただき、審査員一同、選ぶのに苦労しました。それくらいみんな素晴らしい作品でした。このイベントは今回が初めてですが、来年以降も第2回、第3回と続けていきたいと思っています。我々は次世代のために大人がどうやってサポートできるかということを考えていますので、今日、いろいろなアイデアを聞かせていただきましたが、ぜひこういった活動を続けて行って、明るい未来を少しでも作っていければと思っています」などとこの日のコンテストを総括し、締めくくりました。

TOP